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2015/07/19   小児反復性中耳炎と十全大補湯



三歳未満の小児で、毎月のように中耳炎を繰り返す患者さんは親御さんばかり
でなく、耳鼻科医も治療に難渋します。

私は、鼓膜切開や鼓室内チューブ留置術には慎重な立場ですが、一歳未満の
乳児に全身麻酔をかけチュービングを行うのには、どんな耳鼻科医も躊躇します。

幼い子供さんに、マクロライドの少量長期投与を行うにもためらいますが、毎月の
ように耳漏を繰り返す患者さんがおいでるのも事実です。


先日、金沢大学の耳鼻咽喉科教授の吉崎先生の講演を聴く機会がありました。

その際、小児反復性中耳炎に十全大補湯が有効であると話しておられました。

十全大補湯を服用すると、中耳炎にならなくなる訳ではありませんが、中耳炎になる
回数や、耳漏の持続日数や程度が軽くなるようです。


私は、以前から自分自身の方針として、新薬や新しい治療法には、直ぐに飛びつかない。
一、二年して評価が定まってから採用する事といたしております。

しかし、金沢大学の吉崎教授は信頼できる先生で、耳鼻咽喉科学会でも報告されていること。
使用する薬剤も江戸時代から使用されている漢薬の中でも最も安全な『十全大補湯』であること
から、患児のお母さんにお話しして三名に服用してもらいました。

今までの治療法では考えられない早期に、良好な結果が得られ副作用もありませんでした。

まだ三名という少ない数ですが、有効な治療手段を得たと考えています。

福井市,耳鼻科,アレルギー性鼻炎,蓄膿症,花粉症,漢方薬
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