医療法人 石黒耳鼻咽喉科医院

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院長のひとりごと

2019/02/17 棄民について  わが身と比べて。



皆さん、アフリカで飢餓難民が多数出ているのをテレビなどで御覧になった事が
あると思います。
映っているのは、骨と皮になった母子の事が多いですよね。

何故、お父さんが映っていないかお分かりになりますか?

理由は、お父さんが空腹を我慢して奥さんや子供に残り少ない食事を与え、自分は
我慢するからだそうです。
父親は当然、男性ですから皮下脂肪が少なく、先に飢え死にしてしまい、その結果
母子がやせ衰えた姿で報道される事になるそうです。

先日来、ある事情で「棄民」の気持ちが良く分かるようになりました。事情については
述べない事のします。
重症のようで、夢の中でも、一人取り残されるシーンが間々出て来ます。

村上春樹さん翻訳の『極北』を読んだ影響もあるのでしょう。
この本は、たまたま付けたテレビで、ある探検家が本を紹介する中で推薦していた
一冊です。
買い求めたら、村上春樹さん翻訳でした。翻訳なんかしていないで本業の方に励んで
欲しいものだと思いましたが、この小説は中々面白かったです。

地球が滅亡に近づいたシベリアで、困難の中で生き続ける女性の姿を描いた小説です。
あとがきの中で村上さんがチェルノブイリ原発事故の後で居住困難区域に住み続ける人
をイメージして欲しいというような事を書いていました。

そういえば、村上春樹さんの小説には本人のものを除いては「あとがき」が載っていません。

文壇から距離を置くスタイルのせいなんでしょうか。
あとがきを読むと、自分が気が付かない視点を提供してくれるので楽しいのですが。

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