また読んでしまいました,、村上春樹さんの 『国境の南、太陽の西』。
前回、しょうもない小説と書いてしまいましたが、これで六回目。読む度に新しい発見があります。
今回気が付いたのは、村上春樹さんの風景描写の見事さです。
女流小説家さんとの対談で、時代所説を書かないかと聞かれ、時代考証や風景描写が面倒と発言していた
のですが、以下の文章の見事さには改めておどろかされました。
『僕は台所のテーブルに座って、少しずつ空が白んでいくのを眺めていた。夜明けを見たのは本当に
ひさしぶりのことだった。空の端の方に一筋青い輪郭があらわれ、それが紙に滲む青いインクのように
ゆっくりとまわりに広がっていった。それは世界じゅうの青という青を集めて、その中から誰が見ても青だ
というものだけを抜き出してひとつにしたような青だった。僕はテーブルに肘をついて、そんな光景を何を
思うともなくじっと観ていた。しかし太陽が地表に姿を見せると、その青はやがて日常的な昼の光の中に
吞み込まれて行った。墓地の上にひとつだけ雲が浮かんでいるのが見えた。輪郭のはっきりとした、
真っ白な雲だった。別の新しい一日が始まったのだ。でもその新しい一日が何を僕にもたらそうとしている
のか僕には見当もつかなかった。』
一般的には『ノルウェイの森』が村上春樹さんの代表的なLove Storyと認識されているようです。
作者も今度は恋愛ものでベストセラーになる作品を書いてみようと考えているようですが、『国境の南、
太陽の西』はLove Storyです。
ただ、甘いだけの小説ではありません。
続く
ここでは私が日々体験したことや感じたことなど、診療に関係する以外のことも書いています。
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