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院長のひとりごと 2

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2022/08/19  蛙に思う。 


立秋も過ぎたのに、いつまでも湿度が高い日が続き、庭の植物は水を欲しがり散水に明け暮れて
います。

「よく毎日続きますね。本当に感心します。」と、ある人に呆れられたのですが、私もだてに水遣り
だけをしているわけではありません。

葉欄の鉢に住み着いた雨蛙くん。毎日会えるのを楽しみにしています。
雨蛙といえば、ずいぶん昔になってしまいましたが、母親が死の床に就いた病院のベランダで
盛んに鳴いていたのが忘れられません。
なぜ五階のベランダが雨蛙の繁殖地になっているかというと、病院の灯りに寄ってくる羽虫を
食べて生きているのですね。

こんな高いところにどうやってやって来たのか不思議だったのですが、葉欄雨蛙さんの姿を
見てようやくわかりました。
壁を伝わって登ってきたのですね。

ある夜中に、母の様態が急変したからと病院から呼び出しがかかりました。
慌てて病室につくと、挿管された母の姿が目に飛び込みました。
喘息の発作が起きて危なかったと当直の先生に教えていただきました。
今まで、喘息発作起こしたことなかったのに。死ぬ前には何でも起きると知りました。

ふと窓を見ると、一匹の雨蛙さんが病室を覗き込むように佇んでいました。

私の母方の祖母は、「武士の娘」の誇りを持って生きていました。
夏の暑い日に庭で倒れ、当初は食事を口にしていましたが、自分の考えから、ある日を境に口を
しっかりと閉じ飲食を断ち死んでいきました。
当時遠くに離れていたのですが、亡くなる数日前の夜中に机に向かっていた私は、背中から名前を
呼ぶ祖母の声を聞いた気がして振り返りました。
何も見えませんでした。
私は霊魂を信じませんが、そんなことがありました。

その祖母の次女だった母は、性格は全く異なりましたが、入院してから悪心のために全く食事を
とることができず、亡くなりました。

写真は、必死に野良を生き抜いたシロの写真です。
傷だらけになりながらなわばりを守り抜き頑張り、この年の冬に力尽きました。

私も死ぬ時は、それなりの覚悟を決めて死のうと考えています。

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院長のひとりごと

ここでは私が日々体験したことや感じたことなど、診療に関係する以外のことも書いています。
不定期ですが、随時更新していきますのでよろしくお願いします。

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