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院長のひとりごと 2

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2022/06/04   清潔と不潔について 3


A病院について、もう少し思い出したので書いてみます。
やはり、今となっては問題かとも思うのですが、時効ですので。

当時は、かなりの規模の病院でも独立した麻酔科という診療科はありませんでした。
従いまして、外科の先生に麻酔をお願いするのが慣例でした。
耳鼻咽喉科の午前の外来診療が終わり、外科の医局に午後の麻酔をよろしくお願いしますと
挨拶に行っておりました。

ある日のこと、外科医局のドアを開けましたら、先生がビールの小瓶を開けて飲んでおられま
した。
先輩でしたので、何も言えず小瓶をじっと見ていましたら、『ちょっとだけだから大丈夫。』
その先生が麻酔をかけてくれる時は、先生が持ち込んだラジカセを聴きながらリラックスして
手術ができました。

ある女児の扁桃摘出時の事を思い出しました。
その子は。B型肝炎のキャリアーで、それも非常に感染力の強い状態でした。
手術がほぼ終わり、手術後の再出血(これがあるととても厄介)を防ぐため、創面を擦ってわざと
出血させて、その場をバイポラーという止血の道具で焼灼していた時です。

介助についていた看護婦さんが、うっかりして先端部分を私に向かって渡したため、手背に刺さって
しまった事がありました。
手術場全体が凍り付きました。
私も若かったので(事の重大さが判っていない)ので、そのまま手術を続けました。

手術後、院内の知らない看護婦さんから、「先生、大丈夫ですか?」と「良く怒らなかったですね」と
声をかけて貰い、『男を上げた』形になってしまいました。
労災で、ただでB型肝炎ワクチンをして貰いましたが、感染もせず、また免疫も獲得できず今に至って
います。

その女児の扁桃摘出は、うまく行ったのですが、術後二日目から患者さんに高熱が出てしまいました。

続く。

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院長のひとりごと

ここでは私が日々体験したことや感じたことなど、診療に関係する以外のことも書いています。
不定期ですが、随時更新していきますのでよろしくお願いします。

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