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院長のひとりごと 2

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2009/10/16 虫と寒い冬



今、日高敏隆さんの『なぜ飼い犬に手をかまれるのか 動物たちの言い分』

という本を読んでいるところです。

高校生時代にローレンツの『ソロモンの指輪』という本が大好きでした。

この本の訳者が日高敏隆さんであることを,『春の数えかた』という日高さんが書いた本を読んだときに知り、

いっぺんに日高さんのファンになりました。

動物や昆虫の生態について、研究に基づいた幅広い知識に裏打ちされた興味深い内容の文章をお書きになります。

前述の本の中に、「虫と寒い冬」という一文が載っています。

"かってから暖冬の年というものがあった。暦の上では冬なのにこれが冬かと思うほど暖かい日がつづく。

人間にとってはありがたい。けれどもそういう年は春になって何か少し変であった。"

"春がきたら虫たちが一斉に姿を見せるはずなのに、どうもそうならない。虫たちの出現にばらつきがあり、

出てきた虫たちがどことなくひ弱いように思えるのだ。"

○ 一定期間の「寒さ体験」が不可欠? 休眠間発育

"もしかして、虫たちは冬の寒さにじっと「耐えて」いるのではなくて、寒さを必要としているのではないか?

つまり、たとえば冬眠している蛹が蝶になるためには、一定期間の寒さを体験することが不可欠で、

その間に虫は、「休眠間発育」とでもいうべき特別な発育をしているにちがいない、ということだ"

実験の結果、休眠卵の中のグリコーゲン(ブドウ糖)は、暖かいところに置かれると分解してしまい、

栄養源にならないため、卵はいつになっても孵れない。

"つまり寒さを体験することは、発育可能な状態になるために不可欠なことだったのである。"

表題から人の成長にも"寒い時期"が必要なのかな?と安易なことを思い、読み始めた自分の浅はかさ・・・

しかし、地球温暖化で地表の温度が変化すると、虫の生息地域が変わりますね。

すると、虫を食べる鳥の生育にも変化が出てくるかも知れません。

最近、ミツバチの大量死が話題になりましたね。

日高さんや、そのお弟子さん達のような立派な仕事をされる学者さんが地道な研究を重ねていくことを願います。

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院長のひとりごと

ここでは私が日々体験したことや感じたことなど、診療に関係する以外のことも書いています。
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