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院長のひとりごと

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2021/05/25 高村薫 『神の火』 を読んで。


時代小説、歴史小説の三巨頭ばかりでは流石に飽いてしまったので、高村薫さんの
文庫本『神の火』が並んでいたので、買い求めて読んでみました。

いつもの事ですが、長いのには閉口しました。
何処まで読んでも面白くないので、放り投げようかと思ったのですが、下巻の後半から
引き付けられて読み切ることが出来ました。

中で、気になった文章を

『私の年代はね、皇国日本という強烈な国家意識を持って育ったんだ。・・・』
『田かあ敗戦のとき、私はこれで新しい日本国が出来るぞと小躍りしたもんだ。軍人も
戦争も大嫌いだったからさ。ところが、五年待って十年待って、あれれだ。』『国民主権だと
いうが、国民の選んだ政治家が、外国から金貰って言うなりになっている国がどこにある。
労働組合も社会主義政党も同じ。』『日本人が自分の国と意識するに足る主権を持ってこな
かったのは、全部日本人の責任だ。自分で考えず、自腹を切らず、責任も取らず、自分の
懐だけ肥やすような国民に、自分の国が持てる筈がない。』

「原子炉はそうやって廃炉にするんか」
「最終的には解体するが、数年間は格納容器を密封して放置することになる」
「あと二、三十年経ったら、この若狭湾沿いに建っとる原発はみな寿命が来る。そのころ、
この海岸にはコンクリートの廃炉が延々とならんどるということやな」

平成三年に刊行された本ですが、事態は、高村さんの想像を超えた所で推移しているようです。

どうも、先の事は何も考えず、先送りしているようです。
先の大戦と同じく、誰も責任を負わないのですね。

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1256285 25:756 aki   21

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